大阪府立鳳高校

鳳高校の練習に行ってみた。

風の噂によると、鳳高校演劇部では一風変わった基礎練習をやっているのだとか。

何とも聞き捨てならない情報!

ということで、早速、鳳さんがどんな練習を日々やっているのか

直接教えてもらうことにしました。

(Text&Photo by Yoshiaki Yokogawa  Assistant by Kanata Nakamura)

ということで、鳳さんの稽古場にお邪魔させていただきました!

前回の大会でも高校演劇離れしたエンターテイメント大作で

観客を自分たちのワールドに染め上げた鳳さん。

どんな練習をしているのかとワクワクしながら稽古場に行ってみると…。

 

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何やら中から歌声が。

何事かと思って覗いてみると…。

 

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おー! みなさんが声高らかに歌っているではないですか。

ん? ここって合唱部?

と思いきや、この歌こそが鳳さんの発声練習なんです。

「でもなぜ発声で歌?」という疑問に顧問の梅本先生が答えてくれました。

もともと演劇はまるで門外漢だった先生。

当然、あめんぼの唄や外郎売りという定番のメニューもまったくご存じなかったそうです。

ただ、発声でも実際の台詞でも「読む」ことはNGなのが鳳流。

発声の段階からきちんと感情を表現する方法はないかと考えて行き当たったのが、

この歌を唄うというスタイルなんだとか。

 

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今回、披露してくれたのは、

舞台『MIDSUMMER CAROL〜ガマ王子VSザリガニ魔人』の劇中歌『Endless story』と、

みなさんよくご存じの『アンパンマンマーチ』。

 

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稽古場の一番奥にハート型の的をあしらえ、

そこに気持ちをぶつけるように歌うというのがスタイル。

細かい演技指導は一切ありません。

音を感じたままに自由に表現するのです。

『Endless story』の軽やかで優しい調べに乗せて、

ただ歌うだけでなく、自然と身振りがついてきます。

 

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指先にまで伝わるこの感情!

単なる発声練習というより、ミュージカルのワンシーンを演じているよう。

いつもの発声練習が、何だかとっても楽しくなってきそうですね。

 

いやあ、いいものを見せていただきましたと感心していたら、

ここで終わるはずもない鳳さん、早速、次の練習の準備を進めます。

何が始まるのかと思ったら…。

 

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何とタップダンス!

そう言えば、大会でもダンスや殺陣をふんだんに取り込んでいた鳳さん。

このタップダンスもプロの講師を招いて、直接指導をしてもらったそう。

 

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確かに足さばきも鮮やか!

こういうプラスαの特技があると、演出の幅も広がりますよね。

練習だってとことん楽しくが鳳らしさ。

さらにここで3年の治村さんが突然ヌンチャクを構え出しました。

 

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あのう、すみません、ここって演劇部ですよね…?

という私の戸惑いをよそに、効果音に合わせて華麗なヌンチャクさばきを披露してくれました。

これも日頃のトレーニングの賜物だそうです。

「当たり前」のルールにとらわれず、

部員が楽しいもの、部員が得意なものを積極的に取り入れ、

地味で敬遠されがちな基礎練習をとことん楽しんでいる鳳さん。

こうしたスタンスが、既成概念に縛られない型破りな作風にも活きているのかもしれません。

 

基礎練習はつまらないから嫌いというあなた、

この何でも楽しむポジティブマインド、見習ってみてはいかが?

 

取材にご協力いただいた鳳高校さん、ありがとうございました!

 

 

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