大谷高校+東住吉高校

大谷高校と東住吉高校の合同練習に行ってみた。【前編】

普段自分の学校でばかり練習していると、ついつい内容が硬直化しがち。
もっと練習内容に新鮮な風を取り入れたいと思っている人も多いのでは?

そんな時、いちばん身近な発奮材料になるのは、同じ地区の仲間ですよね。
今回、長年、同じ地区で活動する大谷高校と東住吉高校で初めて合同練習が開かれたんだそう。

いつもと違う練習風景からどんな化学反応が生まれたのか。
その内容を『ゲキ部!』でレポートします。

(Text by Yoshiaki Yokogawa  Assistant by Ai Miyazaki&Kanata Nakamura)

ポイントはS音! 強豪・大谷式ウォーミングアップとは?

合同練習2
今回の合同練習の場所は、東住吉高校の芸能文化科実習棟。
地区大会の会場にも使用されるホールに、総勢30名近い両校の部員が勢揃いしました。

 

合同練習3

 

前半戦は、まず大谷さんから東住吉さんに練習内容を伝授します。
大谷高校といえば、全国大会にも何度も出場する人気校。
大会でも大谷さんの出番になると会場が一気に満席になることで有名です。

 

特に大谷ワールドと形容すべき、身体能力をフルに活かしたパフォーマンスは圧巻!
日頃からどんな練習に取り組んでいるのか気にならないはずがありません!

 

合同練習30

 

まずはウォーミングアップとしてみんなでストレッチ。
激しい動きを伴う練習では、しっかり体をほぐしておかないと怪我の原因になりかねません。
全身のあらゆる箇所を入念に柔らかくしていきます。

 

合同練習8

 

大谷さんのストレッチのポイントは、
ストレッチをしながらS音(無声音)を出し続けること。
こうすることで体をほぐしながら喉を温めます。
絶対に呼吸は止めないこと。
息を吐きながら体が柔らかくなっていくイメージを意識してください。

 

合同練習1

 

(1)まずは手を組んで、腕を上に伸ばします。

 

合同練習2

 

(2)そのまま右に倒します。脇腹がしっかり伸びていることを意識してください。

 

合同練習3

 

(3)今度は左側も。

 

合同練習4

 

(4)さらに前に倒します。

 

合同練習6

 

(5)続いて後ろも伸ばします。
さらに、そこから後ろに組んだ手を外側に向けて開き、腕を上に10回あげます。

 

合同練習7

 

(6)そのままの体勢で、今度は上体を前にかがめて、同じように腕を上に10回あげます。

 

合同練習8
合同練習9

 

(7)組んだ手をほといで、上体を左右にバウンドさせます。

 

合同練習10
合同練習11
合同練習12
合同練習13

 

(8)上の写真のように、背骨の連結している小さな骨を
下からひとつずつ動かすように意識しながら上体をあげていきます。
これを、「ロールアップ」と呼びます。

 

合同練習14

 

(9)手を組んで、腕を上に伸ばします。

 

合同練習15

 

(10)頭の後ろで右肘を左手で左に引いて、左の脇腹を伸ばします。

 

合同練習17

 

(11)腕を体の前で十字にクロスさせ、右手を左手で伸ばします。
横に伸ばした腕がまっすぐ一直線になるように。
この時、顔は伸ばした腕と反対方向に向いてください。

 

合同練習19

 

(12)右手で頭の左側(耳のあたり)を持って、右に倒します。

 

合同練習21

 

(13)そのまま右斜め前に倒します。
終わったら、(10)から(13)の流れを左側でも行ってください。

 

合同練習23

 

(14)両手で後頭部を持って前に倒します。これは首後ろのストレッチです。

 

合同練習24

 

(15)両手の親指と人差し指で顎を支え、首を上に向けます。

 

合同練習26

 

(16)首を左右二回ずつ回します。この時、首の重さだけで回すよう注意してくださいね。

 

合同練習29

 

(17)腕を大きく回します。右腕は後ろ回し、左腕は前回し。
左右が反対になるようにして回してください。
頂点で右腕と左腕がきちんと交差するように。
また、腕を回しながら膝を柔らかくクッションさせるのがポイントです。

 

合同練習30

 

(18)左足を前、右足を後ろに。左足と右足が一直線になるように。
両手を頭上で組み、手のひらを合わせます。
これはアキレス腱を伸ばす運動です。

 

合同練習31

 

(19)反対側も同じように。

 

合同練習32

 

(20)両膝を曲げ、両手を両膝に置き、右肩を前に倒します。いわゆる「肩入れ」ですね。
注意点は、腰をしっかりと落とすこと。
肩を入れる方の腕が曲がらないようにすること。
膝と爪先の方向が同じになるようにことです。
この3点をしっかり意識しながら実施してください。

 

合同練習33

 

(21)反対側も同じように。

 

合同練習34

 

(22)両肩をぐいっと入れます。

 

合同練習35

 

(23)足を開いたまま、爪先を両足平行にし、両手を地面につきます。
これはハムストリングを伸ばす運動です。

 

合同練習60

 

(24)伸脚を行います。上体が前に倒れないように気をつけてください。
大谷さんでは足首の運動も兼ねて、2種類の伸脚を取り入れています。
まず「ポイント」の掛け声に合わせて、上の写真のように伸ばした足の爪先を床につけます。

 

合同練習59

 

(25)次に「フレックス」と言われたら、上の写真のように爪先を天井に向けて伸ばします。
この時、伸ばしていない方の足裏が浮かないように気をつけてくださいね。
きちんと地面にぴったりとつけて体を支えてください。

 

合同練習37

 

(26)伸脚の姿勢から、身体を右に向けて、両手を床につき、腰を落とします。
これもハムストリングスを伸ばす運動です。
伸ばしている脚と上体が一本の棒になるように意識してください。

 

合同練習38

 

(27)右足の爪先を外側に90度向け、右肘を地面につけます。
これは左足の太ももの表を伸ばす運動です。

 

合同練習39

 

(28)体勢を戻し、伸ばしていた足の膝を地面につけ、前に体重をかけます。
これはふくらはぎと太腿の表を伸ばす運動です。

 

合同練習57

 

(29)上体を右にひねります。

 

合同練習40

 

(30)伸ばしていた足の爪先を持って、背中に引き寄せます。
肩甲骨をぐっと寄せ、しっかりと胸を張ってください。
これは脛と太腿の表を伸ばす運動です。

 

合同練習41

 

(31)座って、両足の裏をつけます。
爪先を手で持ち、両膝を地面につけることがポイントです。
そして、そのままゆっくりと胸を爪先に向けて倒してください。

 

合同練習42

 

(32)開脚をします。そこから両手を開いて、上半身を右に引っ張られるように倒します。
そして、右、左、右のリズムで上体を左右交互に伸ばします。

 

合同練習43

 

(33)そのリズムのまま右の脇腹を伸ばすように左に倒します。

 

合同練習44

 

(34)へそを太腿につけるイメージで体を倒します。

 

合同練習45

 

(35)右手で左足首を持って、脇腹をひねります。
終わったら、(32)から(35)の流れを反対側でも行ってください。

 

合同練習51

 

(36)上体を前に倒します。

 

合同練習52

 

(37)足を閉じて前に伸ばし、上体も前に倒します。

 

合同練習53

 

(38)左膝を内側に曲げて、右膝をかけ、上体を右にひねます。
左肘は右膝の外側に添えてください。

 

合同練習54

 

(39)反対側も同じように。

 

合同練習56

 

(40)右膝を曲げて座り、右側に膝を倒します。
右足だけを残し、左足を背後に伸ばし、骨盤を左右まっすぐに保ちます。
左足先を左腕で支え、右手を頭上から回して曲げて、左手を掴み、腰や背筋を伸ばします。
いわゆるヨガの「鳩のポーズ」と呼ばれるものですね。何だか健康的な感じがします!

 

合同練習55

 

(41)反対側も同じように。
これで大谷さんのストレッチは終了です。
キツいポジションほど、ついつい息が止まってしまいがち。
必ずS音を出し続けるよう注意してくださいね。

 

ストレッチで重要なのは、それぞれのフォームが
どの部位を伸ばしているのか理解し、意識すること。
なかなかボリュームのある内容ですが、体の柔らかさは、怪我を防ぐことはもちろん、
しなやかで自由自在な身体表現にもつながります。
「私は体が硬いから無理…」と言わずに、ぜひ毎日鍛錬に励みましょう。

汗たっぷりで爽快感抜群! エアロビクスで楽しく体力アップ!

ストレッチでしっかり体をほぐしたら、次はエアロビクスで体を温めます。
目の前に敵がいるつもりで顎を引き、両拳を揃えて顎をしっかりガード。
そこから正面めがけてストレートパンチを繰り出します。

 

合同練習27

 

悪い見本は、上体が正面のまま腕だけ伸ばしてしまうこと。
パンチの時は、しっかり腰をねじって。
前方に繰り出した肩越しに相手を見るイメージです。
肘を伸ばしすぎると痛めてしまうので、殴る腕は肘が少し曲がるくらい。
相手の顎に寸止めするような感覚で行うことがポイントです。
もう片方の手はしっかり自分の顎をガードしていてくださいね。
これを右左両方交互に繰り返します。

 

合同練習26

 

次はアッパー。
肩が上がらないように腕を引き、下から前方の相手の顎をめがけて拳を振り上げます。
この時ももう片方の手は顎をガードしておきましょう。
こちらも右左両方交互に繰り返します。

 

合同練習25

 

さらにフック。
相手の頬を横から殴ります。
腕だけが動くのではなく、しっかり腰をひねることを忘れずに。
片方の手は顎をガード。こちらも左右両方交互に繰り返します。

 

この動きを、リズムに合わせてテンポよく繰り返します。
音楽に乗って、右や左に移動しながらストレート! アッパー! フック!
大谷さんでは『My Heart Will Go On』のDance mix ver.を音源に使用しています。

 

 

うーん。ノリノリ。
イントロではしっかり深呼吸。歌い出しとともに、1曲まるごと、
ひたすらストレート、アッパー、フックと左右交互に何度もパンチを繰り出します。
何ともハード! 大谷さんではこれを含め計5つのエアロビを練習に取り入れてるそう。
曲が終わる頃には、慣れない東住吉さんからは疲れのあまり、どっとため息があがっていました。

思わずみんな笑顔になる? フォークダンスの見逃せない効果とは?

合同練習5

 

また、その後は全員で輪になってフォークダンス。
「練習でフォークダンス?」と思う方もいるかもしれませんが、これが意外にテンションが上がる!
みんなで手をつなぐことで自然とコミュニケーションも深まります。

 

合同練習7

 

音楽の高まりに合わせて、この盛り上がり!
何でもフォークダンスは全世界で2〜300種類近くあるそう。
それぞれ踊りには雨乞いなど意味があるそうですが、
ここではとにかく曲に乗って楽しく踊ることがいちばん大事!
ひたすら踊ることで体力増強にも効果てきめんです。

 

合同練習6

 

動画サイトでもマイムマイムをはじめ、いろんなフォークダンスの踊り方が紹介されているので、
興味がある人はチェックしてみてください。

 

合同練習28

 

手をつないで一緒に踊ったことで、
最初はぎこちなかった大谷さんと東住吉さんの間にも自然と会話や笑顔が生まれてきました。

 

こんなふうに普段はなかなかできない交流が図れるのも、合同練習のいいところですよね。
内容たっぷりの合同練習、後編では東住吉高校の練習内容をお届けします!

 

>>後編へ続く

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