岐阜県立池田高校
池田高校の練習に行ってみた。
独創的な世界観で全国初出場を決めた池田高校演劇部。
特にゴキブリの動きを体で表現する高い身体能力はどのようにして育まれているのか、
同じ演劇部として気になりますよね?
そこで、今回は、池田高校演劇部の練習風景をお届け!
ぜひ今後の基礎練習の参考にしてみてください。
(Text&Photo by Yoshiaki Yokogawa)
姿勢強化にもつながる! 下半身を鍛えるストレッチをご紹介!
今回は池田高校の練習メニューの中でもストレッチをご紹介。
普段何気なくやっているストレッチ。
これ、ただの「作業」になっている部はありませんか?
顧問の西野教諭曰く「役者に最も大事なのは下半身」。
池田高校で実施しているストレッチは下半身の筋肉を鍛えると共に、
正しい姿勢をキープする練習にもなるそうです。
なので、まずはしっかり負荷をかけて伸ばすことを大事にしてください。
ポイントは「脳と身体をつなげる」こと。
たとえば自分ではまっすぐ手を伸ばしているつもりでも、
傍から見れば曲がっていたり反っていたり、
自分がイメージした通りに体が動いていないことって演技でもよくありますよね?
脳と身体がきちんとつながっていないと、
頭で描いた通りに身体を動かすことはできません。
このストレッチは、イメージ通りに身体を動かす訓練にもなるんです。
ちゃんと正しい姿勢がとれているか、自ら意識を傾けてみてください。
みんなとやる時は、お互いの姿勢を確認し合いながら実施してみるといいですね。
(1)では、まずは足を肩幅くらいに広げて、両手を上に伸ばします。
この時、腕を耳の後ろまで持ってくるように気をつけてください。
(2)そのまま上体を90度倒します。上体が床と平行になるように意識して。
(3)次は上体を45度に倒します。
ちゃんと角度に合わせて正確に上体を倒せているかチェックしてくださいね。
(4)再び上体を90度に。このまま屈伸を2回行ってください。
(5)屈伸が終わったら、再び(1)のポーズに。
(6)次に上体を右90度の方向に伸ばします。
ここでもどれくらい上体をねじれば、90度を再現できるかに注意。
片方の肩が上がらないよう気をつけてくださいね。
(7)そして爪先を床に向けて伸ばす。
ここでも腕がちゃんと耳の後ろにくることを忘れずに。
(8)その状態のまま右手をまっすぐ上に伸ばす。
視線は天井の先、まっすぐ伸びた手の先を見るようなイメージで。
(9)終われば、ゆっくり再び(1)のポーズに戻ります。
そして(6)〜(8)の流れを今度は逆の左側でも行ってください。
(10)左側も終わったら、次は足を閉じて左手だけ下におろしてください。
(11)左手の甲を右足の外股につけ、上体を左に倒しながら右手で頭をの周りに円をつくります。
(12)膝だけ伸ばします。手はズレないように、美しく。
姿勢を戻す時も気を抜かないことが大事です。
(13)姿勢を戻したら、今度は反対側も行ってください。
(14)それが終われば、次は右足を前に出し、両手で足の爪先へ向けて上体を倒します。
(15)そこから爪先を2秒上げます。バランスを崩さないように気をつけて。
(16)上体を起こしたら、今度はその姿勢のまま腰を落として。
ここでも姿勢が崩れないように注意しましょう。
(17)そこから爪先を外側に向けます。
そして身体を落として、上体を床に這うように伸ばします。ポイントはしっかり腰を床につけることです。
(18)では上体を起こして。
(19)「あー」と声を発しながら上体を反らします。
大きな声でなくて構いません。息が止まらないように注意してください。
(20)今度は右手で左足を掴みます。
このシルエットが美しくなればなるほどOK!
最初から上手くはいかないかもしれませんが、地道な積み重ねがきっと生きてくるはずです。
(21)手を離して、次は右足を軸に回転し、右膝を抱え込みます。
右足は腰に近づけるように。
(22)また右足を軸に回転し、屈伸のようなポーズに。
この時、上体が骨盤の上に乗っているかどうか、しっかりチェックしてください。
(23)反対側も。視線はまっすぐ客席の奥を見るように。
ここから最初の姿勢に戻したら、また(14)〜(23)の流れを反対側でも行ってください。
(24)反対側も行ったら、今度は肩入れを。
(25)そして腰を落とす。正しい姿勢をキープできるよう頑張って。
(26)右足の踵を16秒上げます。
(27)今度は左足の踵も16秒上げます。
(28)そして、両足の踵も16秒上げます。
おお、キツい…!
この時、上げる踵の高さは人それぞれ。
自分が最も負荷が高いと感じるところが、あなたの足りていない筋肉です。
なので、最もキツい状態で16秒キープできるよう練習に励みましょう。
このストレッチ、一回やるだけで汗だくです!
以上が、池田高校演劇部のストレッチです。
気をつけなければいけないことは3つ!
1.絶対に呼吸を止めないこと。
2.とにかく美しく。精度を高めることを意識してください。
3.このストレッチはどれだけやってもキツイもの。
もし楽になったと感じたら、それは自分が楽をしているということなので、要注意!
それにしても、これ、一回やるだけで体が本当に熱くなります。
何でもプロの稽古場でも導入されている、演技理論に基づいたストレッチなんだそう。
ワークショップなどでこうしたものを学べる機会もありますから、
興味がある人は実際に足を運んでみるといいですね。
きっと自分の演技や練習内容に取り入れられるものもあると思います。
池田高校演劇部の皆様、どうもありがとうございました!
※今回取材にご協力いただいた池田高校さんの全国への道のりは、こちらでご紹介しています!
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