第2回泉州学生演劇祭
【2014年初観劇は泉州で!】第2回泉州学生演劇祭がいよいよ開幕!
新年あけましておめとうございます。
多くの地域で主要大会が終了し、
いよいよ春の全国、そして、夏の全国を残して、
各校、世代交代の時期を迎えているようですね。
今年も『ゲキ部!』では、
熱戦繰り広げた各校の舞台裏を熱くお届けしていきたいと思います。
さて、コンクールとは別に高校演劇のもうひとつの楽しみが、各地域による演劇祭。
「審査」や「勝ち負け」という概念から離れ、
伸び伸びと自分たちのやりたい演劇を貫く高校生の姿は、
コンクールとはまた別の面白さがあるものです。
中でも様々なフェスティバルが開催されている大阪で、
また新しい演劇祭が根づこうとしています。
それが、泉州学生演劇祭(SSPF)です。
(Text by Yoshiaki Yokogawa)
『SSPF』ってナンだ?
2013年からスタートしたこのSSPFは、
「少しでも大阪南部の高校生や中学生たちに同年代の子たちの芝居を観てほしい!
南部で普段見れないような北部の子たちの芝居を観てほしい!
もしくは自分たちが上演する機会を増やすチャンスにしてほしい!」
という想いからスタートした企画。
そのコンセプトは主に2つ。
1つは「学生が主体の団体であること」。
演劇部を中心に、普段はなかなかできない合同であったりユニットであったり、
様々な団体が個性豊かな舞台を披露してくれるのが大きな見どころです。
そして、もう1つは「お客様の心を動かす芝居であること」。
これはどういうことか、SSPF実行委員会に聞いてみました!
「具体的には笑ったり泣いたりできる芝居であることです。
新春早々、くら~い気持ちにはなりたくないですよね(笑)。
ですので、大会などではできないテーマ選びが可能です。
ぶっちゃけていうと暗い、問題を投げかけて終わる、
後味最悪、などの芝居は参加できません(笑)」
なるほど! とっても明快な趣旨で、個人的には共感です!
せっかくお芝居を見るなら、最後はハッピーな気持ちで劇場を後にしたいですもんね。
第2回目となる今回は、多数の団体からの応募があり、初の上演校選定が行われるほどに。
実行委員会からは「今年の第2回の成功いかんによっては、
来年2日間開催で参加校枠を増やそうか」という声も。
今回、残念ながら選外に漏れてしまった団体もぜひ再チャレンジしてほしいですね。
さらに、初の試みとして、今回からは講評委員による上演校へのアドバイスや感想が。
その講評委員には、あの演劇集団キャラメルボックスの大内厚雄氏をお招きします!
大内さんといえば、大阪府和泉市のご出身。
南部の活性化を目的としたSSPFにとって、最高のレビュワーと言えそうです。
ちなみに、『ゲキ部!』からも編集長の横川良明が参加します。
「大阪の高校演劇には一大イベントになっているHPFを目標に、
1年でも長くこのSSPFを続けられたら」と意気込む泉州学生演劇祭。
新春1発目の観劇に、高石まで足を運んでみてはいかが?
気になる上演団体はコチラ!
■堺市立陵南中学校演劇部 + 高石市立高石中学校演劇部 合同『今、幸せ。』
<上演団体からひとこと>
この作品は、NHK全国学生合唱コンクール、中学の部の課題曲として、
アンジェラアキさんが書き下ろした楽曲『手紙~拝啓十五の君へ~』 をもとに創作されました。
15歳が15歳なりに真剣に抱える悩みを、等身大の中学生が演じる。
今、15歳の人、かつて15歳だった人の心にこの手紙が届きますように。
■大阪府立堺上高校演劇部『フレンド』
<上演団体からひとこと>
主人公のアヤカは、人見知りな性格のせいで友達ができないことに悩んでいた。
そんな中、転校した学校で自身の悪口を聞いてしまい、ショックを受ける。
「友達なんか、いらない」「じゃあ僕が友達になってあげようか?」
悲観なアヤカに、どこからか現れたマコトという少年が声をかけるが・・・。
誰もが聞いたことのある言葉がたくさん出てきます、そこに注目してください。
■大阪府立鳳高校演劇部『ログアウト』
<上演団体からひとこと>
ソーシャル・ネットワーキング・サービスの主目的は、人と人とのコミュニケーションにあります。
とはいえ、使い方ひとつで誰かを簡単に傷つけてしまうこともできるし、
実際そういった悲しいニュース目にすることが便利ゆえに増えてきているのも事実です。
このログアウトという作品は、 実話ではなく、創作作品ですが、
主人公のゆあにはモデルがいます。
1999年、 肺癌でこの世さった、若き名もなき女優がいました。
時代は、ポケットベルから、PHSにかわろうかという時代ですので(笑)、
携帯やパソコン、 スマホやタブレット、 SNS、
現在のような、コミュニケーションツールはありませんでした。
だから、あの時代にそういったものがあれば…… どうなっていただろう??
そんなふとした思いと、SNSのひとつのいい使い方として、この作品をお届けします。
目には見えない、つながりの物語。
■帝塚山学院泉ヶ丘高校演劇部『星の羽衣~それぞれの願い~』
<上演団体からのひとこと>
見どころとは全部です!と言いたいところですが、ひとつだけ言わせていただくと、一番始めのシーン。
きれいなシーンになると思います。他のシーンとは雰囲気が全然違うと思うので、
そういった点でもお楽しみいただけると嬉しいです!!
地区大会からパワーアップした『星の羽衣~それぞれの願い~』
このSSPFで残っている2年生も全員引退することになります。
1年生にとって先輩方と作る最後の舞台、そして2年生にとっては現役最後の舞台となるSSPF公演。
お客様もわたしたち部員も全員が「よかった!」と思えるよう、
泣いて笑ってとにかく笑える舞台を作りたいと思います…いえ、作ります!!
■伊丹西宮演劇部合同『長靴を履いた猫とあくまでもラブストーリーは唐突に。』
<上演団体からひとこと>
この作品では、7人のキャストが自分の個性を生かした演技をしております。
台本自体もすごく面白く、皆さんに笑いをお届け出来るものであると思います!
笑いで始まり、笑いで終わる! 初対面ありの7人! 個性豊かな7人!
最高のキャストがお送りします『長靴を履いた猫とあくまでもラブストーリーは唐突に。』は
少し遅れた皆さまへのクリスマスプレゼントになるとこ間違いなしです!
この舞台で最初で最後のメンバーです。
皆様に、笑いと感動を与えられるよう伊丹西宮合同演劇部一同、全力で頑張りたいと思います!!
私たちの最高で最強の全力演技をぜひ見てください。
■精華高校演劇部『全校ワックス』
<上演団体からひとこと>
既成台本を年に必ず1本はやる精華高校演劇部ですが、
高校演劇の既成作品を上演するのは顧問の私も実は初めてのことです。
高校演劇の醍醐味は中屋敷法仁さんもおっしゃっていましたが、キャスティングだったりします。
今回、台本を読んでみて生徒の意見も聞かず、
あっさりと顧問の私がキャスティングをしてしまいました。
個性の違いから来る対立と、誤解。そして邂逅。
すべての出会いが偶然で、演劇部としてこうして今のメンバーと公演ができるのも偶然。
そして今回劇場へ足を運んで下さったお客様との出会いも偶然です。
そうした一つ一つの出会いの延長線上に自分達の舞台があるということに感謝して、
この作品を上演したいと思っています。
もう一度精華演劇部の舞台が見たいといっていただけるように頑張ります。
PROFILE
■第2回泉州学生演劇祭
日 程:2014年1月12日(日)
開 場:9時15分
開会式:9時45分
会 場:たかいし市民文化会館 アプラ小ホール
(南海本線高石駅下車すぐ駅前ビル・アプラたかいし3F)
入場料:カンパ制(大人1000円、高校生・大学生500円)
※趣旨をご理解いただいた方のご協力をお願いいたします。