廃刊のお知らせ
いつもご愛読ありがとうございます。
今日は、読者のみなさまにお知らせがあります。
突然ではございますが、高校演劇応援webマガジン『ゲキ部!』は、2018年2月12日をもって廃刊することとなりました。
2013年5月20日の創刊以来、日本初(たぶん)の高校演劇専門マガジンとして、高校演劇の今と、そこで生きる高校生たちの姿をレポートしてきました。
そして、指導者もいない、十分な練習環境もない、けれどももっと上手くなりたい、まだ見ぬどこかにいる高校演劇生のための情報を、微力ながら発信してきました。
おかげさまで、多くの高校演劇生、そして高校演劇ファンのみなさまからご支持をいただき、これまでたくさんの記事を配信することができました。
本当にありがとうございました。
その中で、廃刊を決めたのは、いろいろと理由はありますが、簡潔に言うと、マンパワー不足です。
現状、運営にまつわるすべての業務を中の人がひとりで行っているのですが、年々本業のウェイトも高くなり、『ゲキ部!』も途中からはほとんど高校演劇の現場に密着することができなくなっていました。
高校演劇は、3年でプレイヤーが総入れ替えする世界です。
現状の更新頻度では、なかなか現役の高校生に認知いただくことも難しくなりはじめ、『ゲキ部!』本来の目的を達成することが困難な状況が続いておりました。
私自身にとって、ゼロから自分でつくり上げた初めてのメディアであり、たくさんの人に応援いただいたメディアでもあるため、『ゲキ部!』には一言では語り尽くせない愛着があります。
ですが、考えて、考えて、考えた末に、これ以上の継続は厳しいという判断に至り、今回の結論を出させていただきました。
何卒ご容赦ください。
読者のみなさまには、『ゲキ部!』を通して、たくさんの温かい言葉をいただきましたこと、心より感謝申し上げます。
この記事をもって廃刊とし、以降、記事の更新はございませんが、サイトそのものはしばらくの間はこのままにしておきます。
また読みたくなったら、いつでも遊びに来てください。
何のおもてなしもできませんが、ここにはたくさんの高校演劇生のドラマがつまっています。
ありし日の彼ら彼女らの記録が、あなたの元気や勇気になったら、とても嬉しいです。
そして最後に、この場をお借りして、もしこれを読んでくださっている現役高校生がいらっしゃったら、お伝えしたいことがあります。
どうか演劇を好きでいてください。
高校演劇をしたからって、別にプロの役者や演劇関係者になるわけではないと思います。
大半の人が、演劇から離れて、別の場所で、それぞれの人生を歩んでいくと思います。
でも、どうか、演劇を好きでい続けてくれたらいいな、と思います。
演劇は、むっちゃおもろいです。
演劇は、むっちゃいとしいです。
時にはムカつくこともあるし、納得いかないこともあるし、クソつまらない舞台に出会って心の底からゲンナリすることもあるかもしれません。
でも、演劇がそばにいる人生は、むっちゃ楽しいです。
月に1回で、いいです。
難しかったら、半年に1回でも、1年に1回でも、いいです。
劇場に遊びに来てください。
演劇にふれてください。
みなさんが、演劇を忘れなければ、これから先も演劇は続いていきます。
たとえ自分が演劇をつくることはなくなっても、演劇を愛することだけは忘れないでいてもらえたら――ひとりの演劇を愛する人間として、そう願ってやみません。
そして、妙にデカい声だったり、元気な挨拶だったり、礼儀だったり、ちょっとやそっとのことでは負けないメンタルだったり、一生の仲間だったり。
みなさんが高校演劇で手に入れたものは、きっとこれからの人生で何かしらの支えとなるはずです。
部活なんて、長い人生で考えれば、ほんの一瞬の出来事。
卒業したら、何であんな小さい世界でウジウジ悩んでたんだろうって思うことでしょう。
でも、あの小さい世界で身につけたものは、あなたの一生の財産になります。
本気でやっていた人なら、なおさらのこと。
だからもし今、部活が好きなんだけど頑張りきれない、という人がいたら、まずは四の五の言わずデカい声を出して全力でやってみてください。
きっとそこから何かが開けると思います。
みなさんの人生が、最高にハッピーなものになることを、心から祈っております。
末筆ではございますが、これまで取材に快くご協力いただきました皆様に厚く御礼申し上げます。
本当に、ありがとうございました。
私自身は、不定期ではありますが、これからも高校演劇を観続けると思います。
これまで出逢ったいくつかの作品のように、何年経っても眩しく輝き続ける、そんな作品にまためぐり逢えることを楽しみにしています。
では、みなさま、どうかお元気で。
2018年2月12日
『ゲキ部!』編集長
横川 良明